年間100件以上のクレームを含めた電話対応を25年間続けてきた私の話

自分のこと

突然ですが、今これを読んでくれているあなたは、クレーム対応について、どんなイメージを持っていますか?

顧客ニースを理解することができるありがたい機会

熱狂なファンになっていただけるかもしれないありがたい機会

問題点を客観的に知ることができ、品質向上につながるありがたい機会

クレームを言ってくださるお客様は、お客様自身の貴重なお時間を使って

言いづらいことをあえてお伝えいただくという労力をかけておいでです。

そのご厚意に心から感謝申し上げる次第ですし

企業にとってはとてもありがたい機会になります。

企業にとっては。

対応する担当者にとっては

ただのきれいごとです。


起こってもいないことを勝手に仮定して
〇〇になったらどうすんの? と矢継ぎ早に連発してきたり

いちいち揚げ足を取ってその都度要求を変えてきたり

とにかくいちゃもんをつけて払った金額を取り戻そうとしたり

バカ、ボケ、クズ、︎〇ね、などの暴言を大声で喚かれたり

これが実際の「ありがたい機会」です。

お仕事なんです。それは分かっているつもりでも、それでも

この理想と現実にうまく折り合いをつけていくことはとても難しいことです。

マインドセットやテクニックを知らず、無防備なまま続けてしまうと

必ずメンタルをやられます。

実際に、やられてしまったひとを何人も見てきましたし

私自身も一時期絶不調で、休職した経験もあります。

仕事をしているのに、その仕事のせいで最悪仕事ができなくなる仕組み。

こんなこと、あってはならないんです。

でも、大丈夫です。
あなたのメンタルを守る方法は、実はたくさんあります。
その方法を、あなたにぜひ知っていただきたいと思います。

私はかれこれ25年以上、クレーム対応に至っては年間100件以上を含めた顧客応対関連のお仕事をしています。
学生の時に始めたコールセンターのバイトから正社員になり
最前線での電話対応から人材育成やマネジメント、コールセンター構築、運営まで
様々な立場で経験させてもらってきました。

まあね、よく続けてこられたと思いますよ本当に。
もうね、ひとと話すのが怖くて仕方ないんです。正直今でも。

電話の着信音すら聞きたくないと思って出社拒否したり
電話で怒鳴られた言葉が耳から離れずに眠れなかったり
汚い手書きで書かれた告訴状なるものが名指しで送られてきたり

ふとした時に、過去に受けた恐怖心で震えてしまうこともたくさんあります。

今でも対応前にはしっかり自分を作って、勇気を振り絞ってバリア張ってます。

報われないんですよね基本この仕事って。
爽快感がないんです。後味が悪いんです。
どんどん自分に自信がなくなってくるんです。

あと、圧倒的な孤独感に支配されていきます。

あなたも今、もしかしたら、こんな思いで苦しまれているのでしょうか。

世間ではようやく「カスタマーハラスメント」という共通認識が広まり始めました。

それまでは「お客様は神様」という言葉だけがひとり歩きをしてしまい、いくらお客様に非があったとしてもサービスの提供側が謝罪し、よほどのことがなければお客様の要望を丸呑みするという方針がまかり通っていたことも時にはありました。

あまりに理不尽な言いがかりも拒絶することができず、実際に現場で顧客対応に従事する人々が苦しみ続けてきました。

…こんなこと言ったらいけないのですが本音を言います。

「お話できて良かった」と思ったクレームはひとつもないです。

いくら良かれと思って意見を言ってくださっているお客様だったとしても
その時対応している職員を困らせたり傷つけたりする方法で主張する権利はないと思います。
ましてや、怒鳴り散らして解らせる方法なんて卑怯だし、そのひとの品性を疑います。

貴重なご意見は、あくまでも会社に対してであり
個人に対して何らかの犠牲があってはならないと思います。

ですが悲しいかな、会社という組織の中で生きている限り
会社の利益に貢献し続けていかないといけないという大きな使命を背負っています。
そんな社員の覚悟に対して会社は犠牲を厭わないし、そこに何の痛みも感じませんし、もちろん救済もありません。

会社や世間の意識は少しずつ変化してきましたが、まだまだ深刻な状態は続いています。

お客様、会社、そしてあなたや私。

その状況や立場に応じ、それぞれそのひとひとりひとりの主張や要望があります。

そのひとつひとつに応えていきながら、一方で、これで本当に良いのか、と自問します。

本当に満足していただけたのか。
本当に望んでいたことは何なのか。

お客様や会社のために尽くしたいが、辛い思いはしたくない。
お客様のためにも会社のためにもなり、自分を守ることができる方法はないか。

一生懸命考えました。
いろんなノウハウやテクニックを学びました。
実際に試して、トライアンドエラーを繰り返して
たくさん傷ついて、怖い思いをして、こっそり泣いて
少しずつ形にしてきたものがあります。

誤解を恐れずに言ってしまえば、とても簡単なことでした。

それは無理! と突っぱねる。
怒鳴られたら怒鳴り返す。
謝らない。
こちらからガチャ切り。

これらを行うことが許されるように
大前提は、まず話をしっかり聞く。

その上で、お客様と普通に会話をすることが大切だったんです。

今までは、思いもよらない、あってはならない対応だったかも知れません。

ですが、今お客様にされている言動が辛いと思ったら、それを理解してもらうことは決して失礼ではありません。

思い切って伝えて、お互いの事情や心情を共有しながら、お客様と対話をすることができれば
最後はお客様も私も笑い合って、終わらせることができるのです。

お客様の満足度も
私自身の幸福度も
みるみる上昇していきました。

あんなに傷ついたのに
あんなに怖かったのに
あんなに泣いていたのに

気が付けば25年以上、この仕事を続けていくことができました。

そんなこと本当に許されるの?
クレームなのに怖くて話を聞いていられるのかな?

そんな心配をなくしてもらえるように
いろんな方法や知識をあなたに伝授します。

これから少しずつ、情報発信をしていきます。
近い将来、きちんとまとめたものを作成していくつもりです。

ひとつひとつは簡単なことです。
あとは、あなたの勇気です。

少し、思い切ってみましょうか。
それで、楽になれます。

大丈夫です。
こんな私でもできたんですから
あなたにもできるんです。

お客様とコミュニケーションを取ることが役割なのに、その役目が心を傷つけていく。

それはやっぱりおかしいことなんだと、認められる土台がやっとでき始めたのかな、と思っています。

クレーム対応で辛い思いをしてきたあなたが少しでも報われることを、心から願っています。


あなたの辛さが、怖さが、悲しさが、少しでも解消できますように
お役に立つことができましたら、幸いです。

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